一酸化窒素

2023.11.30

一酸化窒素(NO)が健康に及ぼす影響と産生方法

肥満や過食は現代社会が抱える健康課題ですが、この状態が続くと血管にプラーク(コレステロールのこぶ)が溜まり、やがては詰まってしまいます。血管が詰まると、心臓や脳の病気の原因になります。

しかし、一酸化窒素(NO)※には血管の損傷を防ぐ分子が存在しているため、心臓や血管の働きを守る作用があります。一酸化窒素は私たちの健康に欠かせない重要な役割を持っているのです。
※以降は一酸化窒素と表記

この記事では、一酸化窒素が健康に及ぼす影響やその産生方法などについて解説します。

一酸化窒素の主な働き

一酸化窒素の直接的な作用は、血管の内皮細胞の緊張を緩めることです。生理機能としては、血管の拡張作用があることが広く知られています。その結果、血管が拡張して血流量が増えます。

また、神経伝達物質としても働くことがわかっています。シナプス間隙のみで働く多くの神経伝達物質と異なり、広い範囲に拡散して直接接していない神経細胞にも影響を与える点が特徴です。

一酸化窒素の優れた作用

  • 血管の拡張や弾力性の向上
  • 血圧の正常化
  • リラックス効果と睡眠の質の向上
  • 記憶力や学習能力の向上
  • 全ての臓器の血流増進

一酸化窒素に期待できること

一酸化窒素には血管を弛緩して拡張させることで、多くの血液を流れやすくさせる作用があります。また、抗酸化にも働くため、活性酸素を無害化するためにも使われます。

一酸化窒素はこれらの作用から、心臓や血管に関わる様々な疾患の予防や改善が期待されています。

高血圧の緩和

一酸化窒素には血管の内皮を緩めて広げることで、血管にかかる圧力を低減する作用があります。この作用により、高血圧の緩和が期待できます。

生活習慣病の抑制

高血糖や高コレステロールなども血液と血管に関連しているため、一酸化窒素にはメタボリックシンドロームや生活習慣病の抑制が期待できます。

冷え性や肩こり、慢性的な疲労

血行不良で血液の流れが滞ると、筋肉を動かしたときに発生する疲労物質が停滞するようになります。一酸化窒素によって血流と血圧を整えることで、冷え性や肩こり、慢性的な疲労の改善が期待できます。

動脈硬化の原因にもなる活性酸素を無害化

一酸化窒素には、動脈硬化の原因にもなる活性酸素を無害化する作用があります。一酸化窒素が不足すると血管は硬くなり、逆に十分に放出されていれば血管は柔らかくなります。動脈硬化などの予防には、一酸化窒素はなくてはならない物質です。

脳梗塞や心筋梗塞のリスク低減

あまり伸縮せず、硬化してしまった血管はプラーク(コレステロールのこぶ)ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。

一酸化窒素による動脈硬化の予防は、そのまま循環器系疾患のリスク低減につながります。

疲労の回復・治癒の促進

酸素や栄養は血液によって運ばれます。血行を促進することで代謝を上げ、回復を早めます。市場にある疲労回復を謳う医療機器の多くは、理屈は様々ですが、結果として血行を促進することで疲労回復する、という原理で届出されています。

痛みの緩和

発痛物質と言われるキニンやブラジキニンは血中に存在します。痛みは筋肉の緊張を生み、周辺の血流を阻害しますが、血行を促進することでこれらの発痛物質の回収を早めます。

アンチエイジングにも効果的

一酸化窒素によって血行が良好な状態に保たれると、体中へ栄養や酸素を提供する動きがスムーズになります。

反対に、これらの動きが機能不全に陥ると、細胞は健康な状態を保つことができなくなります。これは、老化プロセスの一部であるといわれています。

抗酸化作用

活性酸素が過剰な状態になると、細胞を傷つけて老化を促進します。活性酸素と結合して除去する働きがあるものを抗酸化物質と呼びますが、一酸化窒素もそのひとつです。

特に血管内では、LDLコレステロールが酸化されることで血管の老化が進むため、血管拡張作用とあわせて、一酸化窒素が血管の若さを保つ物質であるといえるでしょう。

神経細胞での情報伝達

一酸化窒素は神経細胞でも合成されています。神経細胞で合成された一酸化窒素は、脳の様々な部位で情報伝達の役割を担っています。

神経伝達には一酸化窒素だけでなく様々な物質が関わっていますが、そのなかで一酸化窒素の特徴は、シナプスの間だけでなく、広い範囲に拡散して直接接していない周辺の神経細胞にも影響を与えるところで、この特性が記憶形成にも関与しているといわれています。

その他、血行不良が原因となる様々な病気の予防

血行不良は、血液の流れが何らかの原因で滞ったり、血管の壁が硬化して血液が流れにくくなったりしまうことです。

症状がエスカレートすると、狭心症や脳血栓、脳梗塞から心筋梗塞まで様々な病気を引き起こす可能性があります。

一酸化窒素で血行不良を改善することは、これらの病気の予防にもなります。

一酸化窒素の弱点

まるで万能に思える一酸化窒素ですが、年齢による減少や体内の活性酸素が多いと力が発揮できない、などの弱点もあります。

年齢とともに減少する

一酸化窒素の生成量は年齢を重ねるとともに低下します。一酸化窒素の低下は20代から始まり、40代になると必要量の50%を失うこともあるようです。その結果、肌の細胞が衰えてしわが目立つようになります。

活性酸素が多いと力が発揮できない

前述したように、一酸化窒素には抗酸化作用があります。動脈硬化の原因にもなる活性酸素を無害化できるのは良いのですが、体内に活性酸素が多すぎるとその無害化のために消費されることで、本来の力が発揮できなくなります。

一酸化窒素の産生を増やす方法

一酸化窒素を増加させるには、食事やサプリメント、または運動などで、その産生を補助する必要があります。

アルギニンの摂取が重要ポイント

一酸化窒素は体内で産生される鍵分子です。人間が摂取したタンパク質は複数種類のアミノ酸に分解されます。そのなかのひとつがアルギニンです。

アルギニンが血管の内皮細胞に吸収されると、一酸化窒素に変換されます。人間の全ての血管には内皮細胞がありますが、一酸化窒素はこの内皮細胞でしか産生できません。内皮細胞を健康な状態に保つことは、とても重要です。

食事から摂取する

ナッツ、魚、肉、乳製品など、アルギニンを多く含む食品から良質なタンパク質を取ることを心掛けてください。良質なタンパク質からアルギニンを摂取し、一酸化窒素の生成をサポートしましょう。

サプリメントから摂取する

アルギニンやシトルリン、抗酸化成分、葉酸などが含まれたサプリメントを利用することで、一酸化窒素の産生を増やすことができます。

【注意】サプリメントの使用に際しては適切な用法・用量を守ってください。

有酸素運動をする

有酸素運動は、血流の循環を促進するのに効果的です。20分以上の散歩・ジョギング・水泳などを週3~4回行うと良いとされています。適度な運動習慣は全身の血液循環を改善し、一酸化窒素の産生を助けてくれます。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事では、一酸化窒素とは何か?どんな作用があるのか?など、基本的な情報を中心に解説させていただきました。
一酸化窒素は私たちの健康に必要不可欠なものですが、正しい知識(食事・サプリメント・運動など)でその産生を促すことが重要です。一酸化窒素を活用して、健康な未来を築きましょう。

※この記事は、健康に関する一般的な情報を提供するものであり、医師等の医療従事者の行う医学的なアドバイスやそれに代替する情報を提供するものではありません。この記事を参考にされる際は、ご自身の健康状態に留意のうえ個人の責任において行ってください。また、健康上の懸念がある場合には、医師にご相談ください。

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